インテリアデザイン

魔都

大阪天満宮の上海中華料理店 魔都(MATO)

洗練された素朴さが織りなす、唯一無二の空間
二人の女性オーナーが営む中華料理店「魔都」の空間デザインを手掛けました。
「魔都」という店名は、オーナーお二人の故郷である上海のニックネームに由来しています。化学調味料を一切使わない料理やナチュラルワインへのこだわり、そして和食やフレンチの繊細さを感じさせる美しい中華料理が特徴のお店です。

■問題解決を基に新たな魅力へ
今回の改装は、お店が抱えていたいくつかの課題を解決することから始まりました。暗すぎる照明、厨房の使い勝手や暑さ、そしてハイカウンターでの食事がもたらすストレス。これらの課題を解消し、料理とオーナーお二人の魅力を最大限に引き立てる空間を目指しました。

■デザインのコンセプト:所作と視線を意識した空間作り
改装では「線をデザインし面にする」という理念を軸に、細部にまでこだわったデザインを施しました。
・柔らかさとシャープさの共存
視界に入る角を一部丸めることで柔らかさを演出。一方で、シャープなラインを活かしたエリアも設け、空間にリズム感を与えました。
・目線と空間の広がり
飾り棚を床近くに配置することで、自然と視線が下がり、天井の低さを感じにくい工夫を施しました。さらに、一輪挿しを壁に設置し、そこに向けたライティングが陰影を生み出し、空間の奥行きを演出しています。
・色彩の調和
壁には象牙色のアイボリーを採用。上品で落ち着いた印象を与え、空間全体をナチュラルにまとめます。カウンター上の特注照明には中国で縁起の良いとされる赤[紅 (ホン)]をアクセントカラーとして採用。天井には、オーナーのお気に入りの藤色を取り入れ、洗練された雰囲気と繁栄の象徴を表現しました。

■機能性と美しさの融合
厨房のレイアウト改善や照明計画の見直しなど、機能面の課題を徹底的に解消しつつ、空間全体が料理の繊細さと美しさを引き立てるようデザインしました。

■新たに生まれ変わった「魔都」で特別なひとときを
改装を経て、さらに魅力を増した「魔都」。お二人のオーナーが作り上げる空間と料理を心ゆくまで堪能していただける場が完成しました。
洗練と素朴さが交差する新しい「魔都」で、特別なひとときをぜひお楽しみください。