インテリアデザイン

銀座桶屋

街の喧騒を抜け、一皿の劇場へ

ミシュラン一つ星を獲得した桶屋久次郎ブランドの精神を、銀座の地で新たな「劇場型おまかせ」体験へとつなぐ。そのために、料理だけでなく、店へ入る瞬間から一席で過ごす時間までを、ひと続きの体験として設計した。

エントランスは都市から切り離され、別の層へと入っていく感覚を作る場所としている。装飾的な表現ではなく、地層のような積層感を持つ空間によって、地中深く別世界に没入するような体験を構成した。

器や縁起物を並べた通路を抜けると、弧を描くカウンターが現れる。天井にもその曲線を重ね、客席の視線が料理人の所作と一皿一皿へ自然と集まる構成とした。正面には神棚と注連縄、茶釜を据え、桶屋久次郎が大切にする伝統や職人技を、空間の中心に位置づけている。

布に包まれた静かな姿から、料理の場が開かれる瞬間へ。光と陰影、素材の表情を重ねながら、目の前で生まれる料理を五感で味わうための舞台をつくった。